コバコ・ノイエ

札幌市街を望む藻岩山西部の山腹に建つ住宅。クライアント夫妻の飾らないライフスタイルと、将来的に建物の一部を店舗にしたいという要望から、我々は納屋のような素朴なヴォイドの中に様々な生活シーンが適度な距離感を持って存在し、子供の誕生や店舗のオープンにもフレキシブルに対応できる空間づくりを目指した。

床や手摺壁、そして光を透過するカーテンはそれぞれのシーンの間に緩く存在し、人々の気配は連続する。リビングのように家族が寛ぐ場所はキッチンの前なのか、2階のどこかなのか、ヴォイドの中に住み手がそうした場所を見つけるきっかけとして様々な天井高や開口が用意されている。

クライアントは、羽目板の劣化、ローコストによる設備機器や素材の限定、冬季の除雪作業など一般の人々が負の印象を持つことが多いこれらの事柄を、生活を豊かにする要素と捉え楽しむことができる人である。

撮影:酒井広司  Photo: Koji Sakai