ヒカリイド・ノイエ/House with Light Well

札幌市中心部から路面電車で20分ほどの住宅地に位置する木造3階建て住宅である。札幌の中でも比較的古くから開けたこのエリアは、落ち着いた住環境が人気で高層マンションなども多く、価格も含め戸建住宅用の敷地探しにてこずる場所である。そんなエリアに、クライアントがわずか13坪の小さな敷地を見つけ、設計が始まった。東側に巾の狭い前面道路、西側には高層マンション、北側に3層のテナントビル、南側の空き地は将来住宅用地としての利用が予想されることから、プライバシーの確保を主眼とした中庭タイプのプランをベースに計画を進めた。具体案としては限られた床面積の中で廊下的空間を最小限に抑えるスキップフロアによる空間構成とし、その中心となる階段に寄り添い光井戸を設置している。光井戸の底部は一部が網状になっており、採光のみならず室内の通風や法的な避難ルート確保にも貢献する。敷地巾が狭いため、井戸の下は必然的にアプローチを兼ねた駐車スペースとなり、ここを無柱とする木軸組みを検討した結果、特徴あるスリムな建物フォルムが現われた。

縦に並ぶ居場所を繋ぐ階段の最上部には、ペントハウスがあり、積雪で傷みやすい屋根メンテナンスはもちろん、光を取り込みながら通風経路を確保する役割も担う。日当たりのよい屋上には、プライバシーを確保した小さなテラスが用意されている。

撮影:酒井広司  Photo: Koji Sakai