House for Mr.Romeo

ロメオ・ノイエ

 札幌市郊外の藻岩山南斜面に建つ住宅。車好きのクライアントにとって「日々の生活スペースからどのように愛車を眺めるか」はとても重要なテーマであった。ここでの我々の提案は、『ガレージとリビングが隣接する』ような直接的な繋がりではなく、生活スペースと愛車との間に北海道の美しい四季を取り込む『リフレクトガーデン』を設けることであった。「リフレクトガーデン」には薄い水盤が設けられ、そこに降る雨や雪、日差しや風の動きを増幅して室内に取り込むことが出来る。願わくば、こうした日々変化する外部環境を介して車を眺めることにより、停まっているはずの愛車に動きが表れ、車という機械が自然環境の一部にまで昇華してくれればという考えである。


 敷地の北側は木々のある公園に接しているものの、傾斜地の為に公園利用者から住宅内部が見えやすい状況にあった。そのため北面の開口部は大きさや位置、ガラスの種類などを検討し、木々の眺めを断片的に内部へ取り込んでいる。それら断片的な木々の画像が、内側に住まう人の心の中で再統合され、大きな森をイメージさせようという仕掛けである。


 こうして室内に取り込まれた車を含めた種々変化する外部環境が、シンプルな平屋住宅に複雑な表情を与え、外部形態からは想像しがたい多くの場面を作り出してくれることを期待している。

撮影:酒井広司  koji sakai