現存する物としては札幌で最も古い鉄筋コンクリート造のビル(大正13年竣工)にシンプルでスタイリッシュなカフェ空間を挿入することになった。このカフェはギャラリーとしての機能も持ち合わせ、人々の出会いと交流の場として文化面からも周辺地域を刺激し活性化することになる。
大正時代の建物に敬意を払い、目立つための大きなサインは設置せず、ただ白と銀の空間が大正の建物と強いコントラストを成し、相乗的に互いの存在を主張する。また、北東に面するこのカフェには営業時間内に直射日光が入らず、周辺ビルからもれる光りは白色蛍光灯である。こうした条件から、カフェ内部照明を色温度の低いものとし、窓からもれる光りの色によって周辺地域から店舗を浮かび上がらせ、これをカフェのささやかなサインとした。
撮影:阿野太一 daichi ano